おみやげ処より(本館ブログ9月号)

本館のブログ担当こでまりです。

清水園では蕎麦の会があるんですね。おいしそうです。涼しくなってくるとお腹が減りますね。

さて前回の「阿賀野川」についてから随分間が開いてしまい、秋らしさがちらほら感じられる季節となりました。秋といえば読書。奇しくも今日は北方文化博物館のおみやげ処より本のご紹介です。


北方文化博物館のおみやげ処では、地酒をはじめ新潟ならではの食品や工芸品を取り扱っています。家族や友人へ旅のおみやげを選んでいただけるのはもちろんのこと、県内・市内といったお近くからご来館下さった方が、自分のためにお気に入りを選んでお買い求めいただけるのもうれしいことです。今日はそんなおみやげ処からのお話ですが、一般的なお勧め紹介からは少し離れてしまいますことを予めご了承下さい。少し長くなりますが最後までお付き合いいただければ幸いです。

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先日来館した知人が「これ面白そう」と手に取って購入していった本があります。Bricole(ブリコール)※企画・発行の『MADO+BOOKS 目門(まど)ブックス001 うつろうもの のこるもの』と題された本です。いぶし銀のように黒光りするモノクロ写真の表紙には、古く大きな茅葺屋根を背景に、手書き原稿のようにペン字で書かれた「うつろうもの のこるもの」の題字。新刊なのに古書を手に取ったような質感があります。開くと大小織り込まれたモノクロ写真の数々。川や舟や畑や家屋とそこで生活しているであろう人たちの日常の姿が飛び込んできます。(これはいったいいつのどこの写真だろう?)そんな疑問が湧いてきます。


本の内容は主に二つの柱で構成されています。ひとつはこの本の企画者であるブリコールの桾沢厚子さんが2014年に行った写真家・郷土研究家である斉藤文夫さんへのインタビュー原稿です。斉藤さんは後に師匠となる石山与五栄門(元巻郷土資料館長)さんと出会い、民俗学的な視点で撮影する地域の人々の暮らしや歴史に深く触れ、それらをよく見極めて撮ることの意義や面白さを教わります。本誌にも掲載のある写真は、1974年に廃村となった角海浜(西蒲区)を写した『角海浜物語―消えた村の記憶』(和納の窓叢書)の写真です。これらの写真には、地理的または社会的要因によって廃村へと向かいながら大らかに暮らしを営む老人たちを、敬い見つめる斉藤さんの温かなまなざしが色濃く表れています。新潟市西蒲区(旧巻町)出身の斉藤さんは、現在、西蒲区福井の旧庄屋佐藤家の保存のため”囲炉裏の火焚きじいさん”として、ご自身と出会った人たちそれぞれの生き方を次の世代へ伝える存在です。


もうひとつは、映画『阿賀に生きる』(1992年、監督 佐藤真)の制作スタッフと、斉藤さん、桾沢さんらを交えた”いろり座談会”「角海と阿賀に生きた人々」なるトークイベント(2014年開催)の書き起こし原稿です。知る人も多い映画『阿賀に生きる』は、新潟水俣病という公害の被害者である人々の暮らしを撮影したドキュメンタリーですが、そこに映し出されるのは、公害の運び手となってしまった阿賀野川に寄り添い、新潟水俣病を懐に抱きながら鮮やかに軽やかに生き切る老人たちの姿です。『角海浜物語』と『阿賀に生きる』に現れる人々についてやりとりされるトークからは、撮影を通して向き合った老人たちから引き継いだ生き方が、制作スタッフ一人ひとりの中にそれぞれ反映されているように思いました。


この本に対して得られる好感は、内容の手ごたえからだけではありません。ただでさえ文字数の多くなる話し言葉の書き起こし原稿を少しでも読みやすいようにと工夫されたであろう段組み。思わず苦笑してしまうほど多い丁寧な注の数々。そこには編者の「伝えたい」心の温度が感じられます。私は編者の一人、桾沢厚子さんのあとがきにある言葉が印象に残っています。・・・東京から新潟へ移ったものの心の置き場は東京にあると思っていた自分にとって、目に飛び込んできた『角海浜物語』や『阿賀に生きる』は”「新しかった」のだ。”という一言。そしてインタビューや座談会を行ったのは衝動的な行動だったと述べています。・・・


私たちが今後どのような社会を作り上げていこうか(あるいは作り上げていくべきか)考えたとき、先を生きた人たちの生き様・価値観・あるいは失敗を知り、一体自分がそのどこに心を動かされているのかを探ってみるのもよいと思います。民俗学とは過去を知るためだけのものではなく、むしろこれからどう生きるかのヒントを発掘し、未来へ伝えるための研究ではないかと思います。桾沢さんの感じた、かつての角海や阿賀の中の「新しさ」が形となったこの本には、民俗学の新しい担い手の出現を手助けする役目があるように思います。深く深く過去をさかのぼるほど、ふいに見えてくる進むべき道。それは古いけれども新しくはっきりと見据えることができる道です。それはおそらく「ただ生きるために、どう生きるか」という素朴な疑問への答えではないかと思っています。もしそんな問いを持っている人がいたらぜひこの本を手に取ってもらえたらと思います。きっと先を生きた人たちの積み重ねてきた年月に支えられ、迷うことなく向かう先が見えてくることでしょう。


おみやげ処で一冊、一冊とゆっくり減っていく本の売り棚を眺めるたびに、読んだ感想を携えてまたご来館下さるお客様とお会いできたらいいと思っています。


このたびもつたない文章を最後までお読みいただき誠にありがとうございました。


※Bricole(桾沢和典・桾沢厚子)さんは、地域に残るあたりまえの生活・文化・歴史をあらためて理解し、新しい価値として組みなおすことで、その継承と新たなコミュニティづくりに寄与することを目指し、ワークショップやシンポジウムといった形を中心に積極的に活動されています。


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(本館 ブログ担当:こでまり)



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# by hoppo_bunka | 2017-09-06 19:17 | 本館・その他 | Comments(0)

清水園より 9月の御案内

清水園では9月に下記のイベントがございます。

~清水園で「初蕎麦会」

★日時  9月18日(月・祝)
     12:00~

★会場  清水園 書院 (新発田市大栄町7-9-32)

★会費  7000円(入園料込)

★定員  60名様 (定員になり次第締め切り)

★ご予約・お問い合わせ先  山岳手打ちそば一寿 
              0254-33-3480

清水園で、赤穂義士最後の晩餐のメニューを再現する「初蕎麦会」を開催します。
琴の音を聞きながら、元禄時代の料理と地元4酒蔵の地酒を楽しみましょう。
忠臣蔵学会会長の冨澤信明先生による講演もございます。
皆様のご来園をお待ちしております。

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# by hoppo_bunka | 2017-09-03 13:09 | 清水園 | Comments(0)

清水園の夏の夜

猛暑が続いております。
清水園では8月5日に、毎年恒例になりました しばたIRORIの会の皆様による
「夜がたり」が開催されました。
18:30に開演となり、まだ明るかった空も次第に暗くなり、「夜がたり」に
ぴったりな雰囲気です。
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新発田に伝わる様々な昔話し。
皆様熱心に聞いているのは「大竹与茂七」の話し。
臨場感つたわる語りに、引き込まれていきます。

暑い中、大勢の方に御来園いただき、誠に有難うございました。
しばたIRORIの会の皆様も、お疲れ様でした。
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楽しい夏の夜のひととき、でした。

清水園/わっか






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# by hoppo_bunka | 2017-08-07 12:59 | 清水園 | Comments(0)

阿賀野川のこと


今月は全国各地で相次いで大雨による被害が報告されました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念致します。
新潟でも毎週のように豪雨が繰り返され、上流の降り方によっては河川の増水が度々深刻な状況に陥りました。今月はそんな河川に関して少し書いてみました。


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北方文化博物館のすぐそばを流れる大河、阿賀野川。日本一の流域面積を誇り、その流れは滔々として雄大です。
ここ沢海付近の旧河道は、上流(福島)から見て右手(東側)へ大きく蛇行していましたが、大正4年(1915)~昭和8年(1933)にかけて行われた第一期改修工事によって、現在のようなゆるやかなカーブの河道が形成されました。

沢海は4つの地区「上沢海」「中沢海」「下沢海」「阿賀野(焼山)」に分かれていますが、現在この「阿賀野(焼山)」だけが、河道の変更により博物館側から見て阿賀野川の対岸に位置しています。河道はゆるやかになったとはいえ、地区ひとつ隔ててしまうほどの改修工事はさぞダイナミックな大事業であったのだろうと胸が熱くなります。

また、川底が削られ勾配が不安定にならないよう、過去2回に渡って床固(とこがため)の工事※1が行われました。
1 沢海第一床固工事(昭和34年)、沢海第二床固工事(昭和2527年)。現在、河川敷に整備された沢海床固公園からは、阿賀野川を横断する床固(とこがため)の様子を間近に見ることができます。

阿賀野川をめぐってはその流域に生活する人々の暮らしや仕事をはじめ、新潟の繁栄に大きな影響をもたらす様々なできごとがあります。ここ沢海から見えるのはそんな阿賀野川が持つ多彩な表情のひとつでしかありませんが、見つめ続けることでどんな新しい(あるいは古い)沢海の姿が見えてくるか楽しみでもあります。

なお、北方文化博物館を出て阿賀野川沿い土手を上流へ100mほど進んだ所に満願寺公園内(新潟市秋葉区)があります。大正4年開始の第一期改修工事起工の基準面※2(東西南北、高さ)を示した標石がここに遺されています。今度見に行ってみようと思います。
2 昭和22年に開始された第2期改修時に現在地へ移設。


写真は現在の沢海地区上空。
阿賀野川(手前左が上流)
床固(中央の白い水しぶきのたった部分)
小阿賀野川(左手前から画面奥へ蛇行)
沢海上・中・下の集落(小阿賀野川と阿賀野川に囲まれた地域)
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# by hoppo_bunka | 2017-07-31 16:52 | 本館の日常 | Comments(0)

~ 清水園 如菴作陶展へ ~

清水園内“書院”で行われている『如菴作陶展』へ…

書院の広い空間、趣ある建物のなかに並んだ作品たちは、
とてもしっくりと、そして存在感たっぷりに、
それぞれの魅力を見せてくれています。

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大きな笹船に乗ってどこへゆくのか…“おむすび”も、もちろん焼き物です!
(「焼きおにぎりだよ」と如菴さんが教えてくれました☆)
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8月2日(水)までとなっています。 ※最終日は15:00まで

皆様のご来園、お待ちしております。

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清水園/さっちゃん



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# by hoppo_bunka | 2017-07-29 14:05 | 清水園 | Comments(0)

清水園より 如菴作陶展 の御案内

7月28日より、清水園書院にて~如菴作陶展~開催中です。
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今回も沢山の作品が並んでいます。

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大きな作品も、ぴったりとその場所に鎮座。

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皆様に、ゆっくりと作品をご覧いただいています。
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手に取ってご覧いただいて、作品の持つ暖かな息使いを感じていただけたら
嬉しいです。
期間中は、作者の橋本さんお二人も在園しておりますので、色々とお話しを
伺うのも楽しいかと思います。
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作品はすべて焼き締め。釉薬に見える所は、焼いている間に自然に生まれる
灰釉とのこと。一週間もの間、火を絶やすことなく焼き続け出来上がる作品。
土・火・時間・薪 の織り成す何とも言えない良い色に、見入ってしまいます。

皆様の御来園をお待ちしております。(8月2日まで。最終日は午後3時まで。)

清水園/わっか







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# by hoppo_bunka | 2017-07-28 14:19 | 清水園 | Comments(0)

先週のジャズストリートプレイベント、ありがとうございました

先週日曜日(7/9)北方文化博物館の屋根裏ギャラリーで第30回新潟ジャズストリートプレイベントがありました。
猛暑に引けを取らない、熱い演奏とお客様の情熱でシビレ上がった2公演。
いよいよ明日明後日(7/15.16)は本公演。古町を中心としたジャズ喫茶などの多数の会場にて繰り広げられます。
また7/15には市民プラザにて30回記念<ジャズ100年の変遷>と題した特別ステージも。
ぜひ、ぜひ、お出かけください。

新潟ジャズストリートHP→http://www.niigata-jazzstreet.com/eventinfo/schedule_txt.php


屋根裏ギャラリーのプレイベントへご来場のお客様、誠にありがとうございました。

①12:00~13:00 Flower Pop Muffins meets渡辺直子(ギター、オルガン/ピアノ、ヴォーカル)

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②14:00~15:00 長沢好宏とStormy Weather(ピアノ、ベース、ドラム、サックス)
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# by hoppo_bunka | 2017-07-14 17:59 | 本館のイベント | Comments(0)

ピアノ「アポロ」登場 7/9ジャズストリート・プレ公演

みなさんこんにちは~
北方文化博物館のブログ担当こでまりです。
いよいよ日曜(7/9)に迫った新潟ジャズストリートプレイベントで使用するピアノ「アポロ」についてご紹介します。

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新潟ジャズストリートプレイベント
<北方文化博物館 屋根裏ギャラリー>
ピアノのご紹介

このたび新潟ジャズストリートプレイベントで使用するピアノは、東洋ピアノのアップライトピアノ「Apollo」です。ブランド名のアポロは「音楽の神」の意味です。東洋ピアノが開発した独自の技術により、グランドピアノに近いタッチや響きのピアノです。
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北方文化博物館屋根裏ギャラリーのアポロは、栃尾市出身の画家富川潤一氏から寄贈していただいたものです。声楽家であった彼の妻が生前使用していたものを、彼女が亡くなった後、富川氏の友人であった故八代伊藤文吉が譲り受けました。
屋根裏ギャラリーは、豪農伊藤家の蔵のひとつ門土蔵(もんどぞう)を改修し、若い芸術家の作品発表の場として昭和62年(1987)年にオープンしました。入口に掲げられたギャラリーの看板は、書家でもあった富川氏が書いたものです。
オープンして間もない頃にいただいたアポロは、時々、催しもので使われることはありましたが、目立って活躍の機会はありませんでした。
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大変古く、はっきりとした製造年は特定できませんが、昭和30年代のピアノと思われ、優雅なカーブの猫足や、象牙の鍵盤など、かなり高価なピアノだったと考えられます。
象牙は汗を吸い取りやすく、鍵盤の表面が黄色くなりやすいのですが、現在一般的な樹脂鍵盤の表面に比べ、大変滑らかな手触りが特徴です。
また、ピアノ内部の使用木材をはじめ、音を止めるためのフェルトも古くなっており、新しいピアノのみずみずしくすっきりとした音とは対照的に、老熟した味わい深い音を響かせます。ジャズの響きにのせて、アポロのもつ独特な音色をぜひお楽しみ下さい。

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本日~今年も弦が切れることなく無事に調律を終えました。
新潟ジャズストリートプレイベントは今週日曜日。ぜひご来場下さいませ。
期日 7/9(日)
①12:00~13:00 Flower Pop Muffins meets渡辺直子(ギター、オルガン/ピアノ、ヴォーカル)
②14:00~15:00 長沢好宏とStormy Weather(ピアノ、ベース、ドラム、サックス)
料金 入場料500円(館内見学可)小・中学生は無料

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# by hoppo_bunka | 2017-07-03 16:46 | 本館のイベント | Comments(0)