「日本のどこが一番好きですか。」
外国からいらした大学生のお客様がお尋ねになりました。
京都かな、奈良かな、北海道かな、と、いろいろ思い浮かべましたが、「やっぱり新潟です。」と答えました。
その方は、「私は東北です。あそこの人たちは、何なんでしょう。本当に温かい!」とおっしゃいました。日本が好きで、来日はこれで9回目。九州から北海道まで、いろいろな所をご旅行なさっているとのことでした。
「新潟もいいですよ。ここは、本当にきれいです。ゴミがない。そして、古いものがたくさんある。」そうおっしゃいました。歴史ある国からいらしたのに、「ここの古いものは本当に良い。」とほめてくださいました。
ずいぶん長く鑑賞された後、資料や新発田城や義士の肖像画などについてお尋ねになり、その後それまでの旅行地や本国の写真を見せてくださいました。
そして、またこれから大好きな東北に行くとおっしゃって手を振り駅に向かわれました。
美しい景色、異文化、歴史、美味しい食べ物、非日常の世界。旅行の魅力は数えきれないほどありますが、その魅力をさらにプラスα深めるものに、「人」の存在があることを大学生のお客様から教わりました。リピーターのお客様もいらっしゃいますが、一期一会となるお客様が大半の中、「温かい。」というお気持ちが心に残る園でありたいと願いました。
そして、美しく歴史あるこの清水園をいつも見られる幸せと、物言わぬ木々や建物に代わって、この素晴らしさをお伝えしたい気持ちがこみあげてくる、お客様からのお言葉でした。
清水園/ ひろ