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大人の休み時間

 自粛生活が続き、外食が減り、逆にお弁当を作ったり、家でお酒を飲んだり、間食することが多くなりました。お弁当は自分ひとりなら、何とでもなると思ってしまうのですが、家族が持っていくとなると、毎日やっぱりあれこれ考え、おかずに悩み、時間も取られます。給食とか賄い付きってありがたいなぁと改めて思います。
 自分で作るようになってからわかったお弁当の大変さ。高校生の時に、ごはんの上にボンっと一枚の豚ロース肉が乗っかっているお弁当を開けた瞬間、あまりの豪快さに、慌ててフタで隠し、「女子高生の食べるお弁当じゃない!」と家に帰って母を責めたけれど、あんな年まで作ってもらっていた上に、おかずに文句を言うなんて、なんてひどい子だったんだろうと、昔の自分を呪います。それこそ大勢の朝食を作らなければならなかった母がやりくりしながら作ってくれていたのに、申し訳ないことをしたと作る立場になって、一層強く反省します。
 小学生の頃、一度だけ、母と二人きりでお寿司屋さんに入ったことがありました。理容院に行って遅くなった私を、母が迎えに来てくれた帰り道、「遅くなってお腹が空いたでしょう、お寿司屋さんに寄っていこう。」と言って入ったのです。お寿司なんて、気軽に食べられるものではなかったし、ましてや他の姉妹もいるのに自分だけ良い思いをするなんて、一度もないことです。びっくりして嬉しいなんていうより、悪いことをしているみたいで、食べるどころではありませんでした。カウンターでそれでも海苔巻きを一つくらい食べたでしょうか。覚えていません。母も何を食べていたのか覚えていないのですが、家に夕飯はあるのにと、これは秘密にしておかなければならないことだとその時は感じました。
 今、自分も母となり、何となく、あの時の母の気持ちを察することができるような気がします。今の私よりずっと若くて、子育ても仕事も家事も忙しくて働きづくめだった母は、あの時、ちょっとだけ休みたくなって、元気をもらいたかったのではないかと思うのです。
みんなのために一生懸命三食ご飯を作っていたけれど、ふっと「どうぞ、召し上がれ。」とねぎらい、もてなしてもらいたかったのではないかと。
 もし可能であるならば、あの時の母の隣に座って、「本当によく頑張っているよ。毎日偉い、偉い。」といたわり頭をなでてあげたい。大人だって小さい子どもに戻って甘えたい日があるのですから。子どもだから親の苦労がわからなかった。そして今、自分も同じような思いをしています。
 「ココロさん、やってますか?」「喫茶室はあいていますか?」とお客様が直接いらしたり、お電話のお問合せがあったりします。皆さまお店が開くのを心待ちになさっているのが伝わってきます。美しいお庭を見ながら、おいしいものを食べたり飲んだりして、元気を蓄えてお出かけになりたいと思って、お店が開くのを待ち望んでいらっしゃるのでしょう。もうしばらくお待ちくださいませ。ココロさんは、6月5日(金)より、店内とテイクアウトを併用して営業を行います。喫茶室たゆたうさんは、6月12日(金)より、毎週金、土曜日にテイクアウトの営業を再開します。以前のようにご利用になられる時が来るまでは、しばらく変則的な営業となりますが、お客様に気持ちよく過ごしていただけるように努めていらっしゃいますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 学校に通っていた時は、わずか数分の休み時間がとっても楽しみでした。それは職場でも家庭でも同じです。
新緑の風そよぐ園内を歩いていると、スーと心が軽やかになって疲れも連れ去っていってくれます。できなかったことはたくさんあるけれど、そして今できないこともたくさんあるけれど、今、一生懸命生きていれば、それでいいんだよ、とお庭の木々が教えてくれます。
 ご自分のお好きなだけ、休み時間をお楽しみになれるお庭です。


清水園/ひろ
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by hoppo_bunka | 2020-05-29 15:12 | 清水園 | Comments(0)

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