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「ただいまー‼」

 お母さんと二人で来園された小さなお客様。とっても嬉しそうに園内を一通りご覧になった後、足軽長屋をご覧になり、再びお昼を食べに戻っていらっしゃる時に受付の私に向かって大きな声で叫ばれました。「ただいまー‼」そして元気いっぱいに両手を振って門の中へ入って行かれました。
 うれしかったです。無邪気なご様子に心が明るくなったこともそうですが、「ただいま」と声をかけて下さったことが。
心を開くって、それだけで人を幸せにしてくれるのですね。一緒にいるお母さんも、その様子を嬉しそうに笑って見ていらっしゃいました。 

 その日は入口の橋の下を流れる新発田川の藻刈りが行われていました。作業員の方々はびっしり生えた藻を刈り取っては道路の上に投げ上げる作業をなさっていました。水を含んだ藻はずっしりと重いのに、次から次へとすくい上げていかれます。大変だな、と思って見ていた時、校外学習の小学生の集団が清水園の前を通りました。作業をなさっている方に、「こんにちはー」とか、「何をしているんですか。」とか、色々声をかけ、「あっ、ザリガニだ‼」なんて一人が叫んだら「どこ?どこ?」と、たちまち賑やかになりました。作業員の方は、質問に答えたり、ザリガニを取って見せてくれたり。忙しくなりましたが楽しそうに子どもたちと話をしていました。川について質問しメモする子や、逆に質問を受ける子もいました。

「校外学習って、何をするの?」と聞かれて、「あのね、校外に出てお勉強をいっぱいしてくるの。」と誇らしげに答える男の子。目的地があるのか、それとも道中の全てが学習になるのかはわかりませんが、子どもたちはみんな、のめり込むように川を覗き、作業を見たり魚を探したりしていました。川も、見たことのない作業をする人たちも、ワクワクする対象なのでしょう。

 子どもたちの賑やかな声を聞くのも、集団で行動するのを見るのも久しぶりでした。自粛期間中の街は静まり返っていましたから。

 子どもたちが心を、周りの人や外の世界へと開いていける世の中は、幸福な世の中だと思います。そして、その気持ちを大人になってもずっと持ち続けることができたら、世の中は美しく、ずっと住みやすくなる。多様性を認める社会は、多くの人が幸せになれる社会です。

 とっても嬉しかったので、私も家に帰った時に、家族の顔を見て、「ただいまー‼」と恩送りをしました。「元気そうだね。なんかいい事あった?」と聞かれました。いっぱい、いっぱいありました。「今」を満喫する子どもたちの美しい魂にいっぱい触れ、幼い日の我が子と尾瀬に旅行した時の、美しい思い出がよみがえってきました。

 家でも素敵な贈り物がありました。先日、町内のゴミステーションに収集業者の方から「地域住民の皆様へ」とお手紙が掲示されていました。「ありがとうございます!皆様から頂いた温かいお言葉などがとてもはげみになり、一同感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします‼」とアマビエのイラストが添えてありました。

地域の一員として、誇らしく、家族一同、業者の方のお心遣いにとってもうれしくなりました。
一瞬発した言葉であっても、わずかな文章であっても、ずっと心に残るものがあります。わずかでも魂が触れ合えばそれは色あせることはない。
 
 フイルムに至福の時を閉じ込めむ ニッコウキスゲと子等の笑顔よ

 時を経ても皆さまの心に残り、「ただいま」とたくさんの方からおっしゃっていただける園でありたいと願っています。

清水園/ひろ

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by hoppo_bunka | 2020-06-26 17:11 | 清水園 | Comments(0)

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