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非公開茶室「積翠庵」特別案内 <見学&喫茶メニューお抹茶付き>

「紅葉×お抹茶」をお勧めしている今年の北方文化博物館紅葉シーズンです。

受付で販売中の入館料&喫茶お抹茶メニューのセット券(和生付きは数に限りがございます)に、さらに茶室「積翠庵」特別案内のついた見学プランも始まっています!こちらは2日前までの要予約。料金は2,000円です。
積翠庵(せきすいあん)は北方文化博物館の庭の中でも特に重きをおいた茶室です。普段非公開の積翠庵を実際にご覧いただき、いつも大広間から眺めている庭のもう一つの顔―茶会の舞台としての庭を読み解いていく企画です。

積翠庵は大阪・亰で活躍した商人・茶人の松村宗悦(1791-1855)によって亰に建てられました。三畳平台目、茅葺き屋根。千家お家元から許しを得て、表千家の不審庵(ふしんあん)を模して造られています。宗悦がお家元のご子息の後見を立派に務めたことに対する礼として許されたそうです。積翠は、宗悦の号です。宗悦の隠居とともに、出身の新潟県柏崎へ移築、さらに与板(豪商大阪屋三輪家)へ移築、その後、新津の石崎製油所、三代目石崎清助のころ、石崎家の所有となります。石崎家と伊藤家は姻戚関係にあり、大庭作庭の機に合わせ石崎家より沢海の伊藤家へ譲られました。伊藤家へ移築された際、六畳の茶室「是空軒(ぜくうけん)」が付け足され、積翠庵の待合としても用いられています。是空は石崎清助の号です。

七代伊藤文吉(1896-1958)は、ここ越後から茶道文化を発信すべく千人の茶会ができる庭を、という構想を庭匠田中泰阿弥(1898-1978)に託します。泰阿弥は、積翠庵の移築を含め、いはのや、佐度看亭、時庵(じあん)という茶室を庭に配し、これらを巡る茶会の動線を庭に組み込んでいきます。各茶室とその機能に合わせた景色がひとまとまりとなり、さらに大庭というひとつの景色に昇華されて出来上がった庭は、北方文化博物館が誇る庭のもう一つの顔「茶会の舞台としての庭」です。
伊藤家における茶会の歴史は、石州流越後怡渓(いけい)派を興した溝口翠濤(号景山)の遺徳を偲ぶ、第一回翠濤茶会(昭和25年)にはじまります。七代はこの会の中心人物の一人でした。翠濤茶会は昭和52年の30回を機に終了し、あらたに「越後三楽山茶会」と名称を変えます。以降長らく伊藤家が主体となる会員制の茶会として毎年5月の第三日曜日に続けられた三楽山茶会は、平成28年に八代伊藤文吉が逝去し、翌々年、平成30年の追悼茶会を以て幕が引かれました。


茶室「積翠庵」特別案内の日程は
 13時の回: 11/16(月)、17(火)、18(水)、28(土)、29(日)
 15時の回: 11/19(木)、20(金)、21(土)、22(日)、23(祝月)、27(金)

ご予約は℡025-385-2001(北方文化博物館)実施日の2日前までにお電話ください。
なお、セットの喫茶メニュー「お抹茶」は、喫茶「井戸小屋」にてツアーの前にお召し上がりいただきます。
(丸屋本店さんの秋の和生が付きます。お楽しみに。)

※写真は11月8日に撮影したものです。ドウダンツツジの色づきは始まったばかりです。

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庭園の入り口 銅門(あかもん) ※内側



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銅門をくぐって待合(是空軒)へ進む

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是空軒



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積翠庵 外観 躙り口

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積翠庵 内部 床の間






by hoppo_bunka | 2020-11-13 15:45 | 本館のイベント | Comments(0)

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