紅葉や市街地のライトアップがニュースとなり、クリスマスのイルミネーションなど、美しい灯りが街中を彩る季節になりました。
家や街路樹だけでなく、最近では工事現場の柵や立入り禁止の表示などにも、クリスマスツリーやカラーのイルミネーションが使われることが多くなりました。また、医療従事者等の方々への感謝の形で点灯されるものも増えています。灯りは誰かに対する感謝や祈りなど、気持ちを届ける手段にもなってきています。
先日もテレビで「万代島光の航路1マイルVoyage」という信濃川沿いを6万球のイルミネーションで飾る催しが紹介されました。コロナ収束の祈りと医療従事者等への感謝を込めて灯される青色のイルミネーションは、今は450mですが、これから徐々に距離を伸ばし、ご家庭で作られた灯りなども取り入れていきたいと企画された方が話されていました。
多くの人が持ち寄って、灯りを増やしていくのは素敵だなぁと思っていたら、別の日に上越の善導寿庭園を檀家の方々が整備され、大野町小の5年生がライトアップイベントを行ったという記事が新聞に載りました。手作りの灯籠を並べて行ったライトアップは、ペットボトルに描かれた様々な色の光を放ち、園内を明るく照らしたことと思います。きっとご家族で見に行かれた方がたくさんいらしたことでしょう。
清水園でも11月6日(土)7日(日)と2日間ライトアップを行いました。
1日目217名、2日目185名と、予想をはるかに上回る大勢のお客様からお越しいただきました。ありがとうございます。多くても例年通り、50名前後のご来園かな、でも、コロナ禍の影響もありもっと少ないかもしれないと思っておりましたので、大勢の方がたへの対応がうまくできず、至らぬ点が多々ありましたことをお詫び申し上げます。
こんなに多くの方がライトアップを楽しみに来てくださったという、そのお気持ちを損ねることのないように、これからも、運営の在り方を考えながら、至らなかった点を改善して参ります。
今年は晴れて空気が澄んでいたせいもあり、水面に映る光は一段と明るく輝いていました。こんな時だからこそ、愛する人と一緒に、心に灯をともしたいと考えられて、ご家族やご友人、恋人とご一緒に来園された方が大勢いらしたのでしょう。
日本では、光輝くものは、古くから最も高貴で美しいものとしてとらえられていました。「玉」と呼ばれる宝石や、竹の中で輝くかぐや姫、光源氏、愛しくて大切な貴い子どもを「玉のような御子」などと表現するなど。そして、輝くものに心惹かれ、貴び、そこから勇気や希望、生きる力を与えられることは、今の私たちにも受け継がれていると思います。
私もあなたも、「玉のような御子」として光を伴って生まれてきました。私もあなたも誰かを力づける大切な光。雨に濡れ、地に落ちた紅葉葉の雫が一瞬の晴れ間の日差しにキラキラ輝きました。散った後も地面を美しく彩る紅葉。命の終わりもまた貴い、人生もまた、そうでありたいと願いました。
写真提供 M様
清水園/ひろ