2022年 05月 19日
Oh,能‼ Oh,清水園‼
能はお好きですか。私は、ずっとその良さをわかりたいと願いながら、よくわからないまま何年も経ってしまいました。初めてきちんと能を見たのは、大学生の時です。同級生に能楽師の男の子がいて、学部のみんなに招待券をくれたのです。それで友達と見に行きました。「安宅」という歌舞伎の「勧進帳」の典拠とも言われているお話で、大変わかりやすくて良かったのですが、それ以降に見た能は、見ていても良さがよくわからず、ずっと積極的に見ようとはしていませんでした。 姉は、一昨年あたりから「今、一番面白くてはまっているのが能だ。」と言ってくるので、そんなに面白く日本文化の代表のように言われているものを、自分だけ理解できないのはとっても残念な気がしてきます。なんとかしたいと思っていました。
そこで、馬場あきこ先生が解説をしてくださる時は、できるだけ見に行くようにしました。先生の解説は、大変面白く、能がわからない私でも、その魅力や見どころが伝わり楽しく見ることができます。指導者とはありがたいものだなぁとしみじみして、兼好法師の「少しのことにも先達はあらまほしきことなり。」(ちょっとしたことでも指導者はあってほしいものだ。)という『徒然草』の言葉を実感します。 少しだけ魅力がわかったような気になって、よしっと意気込んでその後も見に行くのですが、一人で見に行くと、またも眠くなり、つまらなくなってしまい、なんだかがっかりしてしまいます。 そこで今年は「能楽師に聞く能の楽しみ」という講座を受け、休みの日にはできるだけ見に行くことを心掛けています。解説を聞くと、見ていて楽しいと感じることができ、それがとっても嬉しかったので、もっとわかるようになりたいと思うようになりました。
能の動きはあまり大きなものがなく、現代のダンスのように、人々を魅了するものはほとんどないように、今の私には見えます。でも、かっこいいな、あんな風に踊れたらな、と憧れるマイケルジャクソンの伝説の2分間の静止を、もっと長い時間をかけてシテが演じているとしたら、あの静止に込められている思いを想像することができたとしたら、その時初めて見えてくるものが感動という形で胸に押し寄せてくるのだろうな、と解説を何度か聞いているうちに、考えるようになりました。
観客を惹きつけるのに、間の取り方がとっても大切なことは、ステージに立つ人はみんな知っているけれど、マイケルジャクソンのように静止し続けることは、なかなかできないことだそうです。次は静止の場面に注目をしながら能を見てみようと思います。
能は武士に愛され流行した芸術です。武士が惹きつけられたものは、いったい何だったのか、そんなことも併せて見たいです。清水園の書院にも、能舞台に用いられたと伝えられている部屋があり、舞台の間と呼ばれています。 庭やお茶、能と、自分が興味あるものが、全てここにある不思議。清水園の文化的な価値を改めて認識し、誇りに思います。
いつか皆さまに、能の素晴らしさを自分の言葉でお伝えできるようになった時に、清水園の素晴らしさも、もっとお伝えできるようになれますように。「庭園・茶室のみかたセミナー」のように、日本の文化の素晴らしさを教えて下さる先達の方々のもとで、学ぶ機会を増やしていきたいと思います。
Oh,能‼ Oh,清水園‼
清水園/ひろ
by hoppo_bunka
| 2022-05-19 16:41
| 清水園
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