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光を届ける人

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 11月6日(日)、ライトアップ2日目は雨でした。1日目と違ってお客様も少なく、ひっそりとした園内にぽつりぽつりと来園されました。雨は激しく降ったかと思うと、止んだり、また、さっと降り出したりの繰り返しでした。
 止んだのかしら、と思って空を見上げると、真っ暗な闇が広がって、見つめていると吸い込まれるような不思議な感覚に襲われました。
 空と木々だけに囲まれた、しんとした空間にいると、細胞の中の原始の記憶が呼び覚まされるようで、宇宙と繋がっている、と強く感じました。
 しばらくその神秘の中に浸っていました。お客様が来られて書院の方に目を向けると、
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ライトに照らし出された木々の紅葉が、闇の中で美しく広がっていました。

 宇宙と繋がっている、と再び感じたのは、その2日後の11月8日。皆既月食を見ていた時です。
月の側に見える、天王星食も見えるかもしれないと、「見たかったら、おいで。」と夫に誘われて畑に出ました。雲の流れが絶えない日で、月を覆っては流れ過ぎ、次第に赤黒く染まって行く月と、小さな天王星とおぼしき星に目をやりました。
 残念ながら天王星食まではよく分からなかったのですが、月の満ち欠けの起こる空を見つめているのは心地よく、ライトアップの日と同じように、体が宇宙に開放されていくように感じました。
 ハレー彗星、土星の輪、月食、そして冬、夏の星座というように、夫からの贈り物は、いつも深淵な光をもつ神秘の世界です。

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 冷え込むと思っていたら、一気に冬がやってきました。
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 地面に散り敷く落ち葉の上を雪がところどころ覆って季節の移ろい、月日の経つ早さを感じさせます。園内は一気に冬に向かって準備が進められています。この世にあるものは、全て移ろい行くもの。
 
 11月の半ばに、お世話になった大好きな先生が倒れられたという知らせを受け、ショックを受けました。先生のお誕生日にプレゼントを持って、サプライズでお宅に伺おうと思ったその日に、友達から知らされました。コロナ禍で面会もできず、連絡もできない状態で倒れられてから1か月が過ぎています。なんでもっと早く連絡を取らなかったのだろう、と後悔し、もうお会いすることはできないかもしれない、と切ない気持ちでいたら、その切なさを打ち明けた方からお手紙をいただきました。
 そこには、いたわりの言葉とともに、あの年代で今日まで生き抜いた方がたは、思いもよらない力があって、回復され元気になられることもあること、親類の方で、そのような方がいらっしゃることが書かれてありました。その文面に、どれほど救われ励まされたことか。
 そのお手紙は、灯のように悪い方、後悔に沈む心に光を届けてくださいました。

 深淵な神秘の世界が心を解き放つように、心を解き放つ光を灯してくれる人がいる。

 届けられた光を抱きながら12月を生きていきます。

清水園/ひろ

  


 


 



by hoppo_bunka | 2022-12-03 16:45 | 清水園 | Comments(0)

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