明けましておめでとうございます。
新年早々、電話線断絶のため、通信環境が整わず、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
12月に降った大雪ですっぽりと雪に埋もれていた園内は、年明け、特にこの2、3日の暖かな陽射しによって、またたく間に姿を変え、春の趣を見せました。久しぶりに訪れた園内は、あの凍りついた日々をまるで忘れてしまったかのように、木々も枝を拡げています。
自然の中で生きているものの、逞しさを感じます。
人目に触れない基礎にこそ、大切に心を込めて全力で取り組む。これは全てのものづくりの基本だと思いますが、木々を見て、新年の決意を新たにしました。
第2の人生を始めている今、私も、人生をリセットして、新たな自分の基礎となるものを培うことに力を注いでいきたいと思いました。
それまでは何でも時間に追われて間に合わせることで精一杯でした。時間のかかることは、する余裕がありませんでした。料理でいえば、焼き物、炒め物、揚げ物がほとんどで、煮物や漬物は、専ら義母にお任せでした。最近になって、料理をすることがほとんどできなくなった義母の代わりに、時間のかかる料理にも、ようやくチャレンジするようになって、手間暇をかけたもののおいしさが実感できるようになってきました。
先日、本館で行われている園芸教室の新年会が大呂菴で行われたのですが、そこで出された野菜料理が全てそうでした。作り手の心が感じられる素材の味わいを生かした一つ一つの料理を食べながら、家族にもこんな風に、おいしいと思ってもらう料理を届けられるようになりたい、と思いました。たまには外食も楽でありがたいけれど、毎日の食卓に心を込めた料理が出されていたら、それだけで十分幸せをみんなが感じることができます。
丁寧にじっくりと日々の暮らしを創り上げていく、そんな心が伝わる生き方を、木々を見つめながら学んでいきたいと思っています。
清水園/ひろ