雪晴れの空のもと、光に満ちている園内です。
滝を流れる水音が、春の訪れを感じさせます。まだまだ朝晩の冷え込みは厳しいものがありますが、それでも、日中の陽射しはありがたくて、寒さに縮んだ身体をぐんと空に向かって伸ばしたくなります。
見上げると青く澄み切った空が広がっています。今日は貴重な一日。この恩恵を身体一杯に受け止めなければ。
昨日の晩から朝にかけては、痛む足に悩まされながら、どうしてこんな風になってしまったのだろう、あんなに元気に走れたのに。と、我が身を嘆き悲しんでいましたが、憂鬱な悲しみを紛らわしてくれる、明るい陽射しのお庭です。
私たちの身体の細胞は、絶えず新しいものに生まれ変わっているといいます。既存のものを破壊することで、新たなものを創り出していくのだと。逆に言えば、破壊することによってのみ、自分をなしうることができるのだと。
走れる身体を手放して、痛む身体を得た。それもまた人生。そして次はどんな身体に変わるのか。そしていつまで続くのか。新たな自分になろう、なろうとしているのだから、心だけを古いまま、置き去りにしてはいけないと思いました。
お正月に、大好きな恩師からいただいた年賀状には、「ステージ4のガンで闘病中。静観を願います。」と書かれてありました。
「静観を願う」 先生は、全てを受け入れられて、ガンと向き合っていらっしゃるのだと思いました。先生は今でもずっと、先生で、岐路の振る舞いまでも教えて下さいました。
生きることを諦めてはなりません。
先生の声も降り注ぐ光いっぱいのお庭です。
清水園/ひろ