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ギフト

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 妹からお中元のお酒が届きました。毎年全国の珍しいお酒を送ってくれるので、楽しみでした。お礼を伝えたら、「今年は退職してこれからスリム化を目指すから、これで最後にするね。お返しもいらないからね。」と言われました。以前姉も還暦を機に「年賀状はもうやめる。」と言ってきたので、これでまた付き合いが一つ減る、と寂しくなりました。同時に、人生のスリム化をみんな考えているのに、自分はなかなかできていないと思いました。

 姉妹LINEもあり、互いに連絡を取り合ってはいるのですが、これからは、お中元ではなく、時々手紙を出そう、形式的なものではなく、近況を知らせ、心を届けようと思いました。

 受け取った相手の心に静かに広がる世界をギフトにしたい、できたらいいな、と思います。

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 今日は朝から雨が降ったり止んだりの一日です。私は受付に座って、時折激しくなったり、収まったりする雨音を聞いています。

 雨を吸ってふんわりと広がる早緑の苔。雫を載せて垂れ下がる紅葉の葉。うす暗い書院の入口に灯る明かり。人の気配に近づいて来る赤や黄の錦鯉。時折ちゃぽんと向きを変える時に聞こえる音。ひっそりと佇む茶室。水面に落ちる雨粒の波紋。
 離れた受付にいても、お庭からのギフトは、私の中に静かに広がっています。
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 先日水につけて蒔くのを忘れていた朝顔の種を、駄目かもしれない、と思いながらプランターに蒔きました。三十以上あったうち、二つだけが芽吹きました。毎年当然のように芽吹くと思っているものでも、芽吹かなかったり、咲かなかったりすることもある。そして、今年芽吹かないものでも、休眠し、力を蓄えて、再び花を咲かせてくれるかもしれない。

 生きるとは、ギフト。未来に恩返しをすることでもある、と思いました。何を残せるだろう。あのちょこんと芽吹いた朝顔が与えてくれたように。
 見る人に向かって、自分の命を誇らしく背負っていたい、と思います。

清水園/ひろ

 
 

by hoppo_bunka | 2023-07-09 14:32 | 清水園 | Comments(0)

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