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母と子 親子


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 お盆で子どもたちが帰省したのでお墓参りに出かけました。先ず遠い私の実家、次に嫁ぎ先のお墓参りに出かけました。お参りをした後に私の実家にも立ち寄って話をする時間を設ければ良かったのですが、その日は新幹線から降りてからの1日の予定があまりにも詰まっているため、子どもたちも私たちも疲れてしまうと考えて、結局玄関先での挨拶にとどめました。

 コロナ禍の前のお盆では、家に上がって仏壇にお参りし、久しぶりに会う母たちと一緒に何か食べたり飲んだりして寛ぐことが続いていたのですが、この度は暑さで私自身が疲れていたこと、そしてもてなす方の母や妹も大変だろうと遠慮する気持ちが勝り、上がるのをやめました。

 夜、実家の母から電話がきて、「せっかく来てくれたのに、何もおもてなしをせず、愛想なしで申し訳なかった。」と詫びられました。
でも、暑くて大変な日だったから、迷惑にならない方が良いと思っていたので、「今度またゆっくりするからね。」と言って電話を切りました。

 子どもたちは今日帰京します。私も夫も彼らが帰る時間には仕事で間に合わないので、朝、慌ただしく、「また来るのを待っているよ。」と伝えて家を出ました。

 清水園はお盆のせいか、ご家族連れのお客様が今日は多いです。うだるような暑い日でしたが、小さなお子様連れのご家族は、ご両親もお子様も楽しそうに来園され出て行かれます。そんな様子を見ていると、親子一緒に過ごせる時間は永遠ではなく、またたく間に過ぎてしまうのだなぁと思います。

 今、家にいる子どもたちのことを思いました。今頃きっと、おばあちゃんに、「また顔を見せに来いよ。」と言われて手を握られていることでしょう。昨日の私の実家の母がしたように。そしてお土産を買うために、早目に駅にいくことでしょう。
 そう思ったら、急に寂しくなりました。子どもにあって、「待ってるよ。」と言って手を握りたくなりました。
 その瞬間、はっとしました。昨日、電話を夜かけてきた母は、まさに今の私が味わっている気持ちと同じ気持ちだったのだ、ということがわかったからです。迷惑なんて、たいしたことじゃない、疲れたってやっぱり側にいてほしかったんだ、ちょっとでも話をしたかったんだ、特に何か話すことなんかなくても、子どもと一緒にいられるだけで、幸せなんだ、と母の気持ちがわかったのです。

 ごめんね。昨日は急いで会えたのにすぐに帰って。次のお休みの日にゆっくり話に行くからね、と今心の中で母に謝っています。

 今晩は夫の妹家族と従弟が家に泊まりに来ます。それをおばあちゃんは、次いつ会えるかわからないと本当に楽しみに待っています。
そしてお帰りになっているおじいちゃんもきっと。家族が集えるという大切で楽しい時間を大事にしていかなければと思いました。

 新幹線の時間が近づいてきます。何か、胸がいっぱいになってきました。外は視界まで覆ってしまう勢いの蝉しぐれです。
夏の暑さはまだ衰えていませんが、間もなく閉園時間です。急いでお客様が二人お入りになりました。

清水園/ひろ











 

by hoppo_bunka | 2023-08-14 16:43 | 清水園 | Comments(0)

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