
園内の紅葉が次から次へと場所を変えて色づいていきます。美しいと眺めていた長屋の側の紅葉も、次第に茶色が濃くなってきました。
今は書院の前の紅葉が色づき始めています。冷たい雨風に触れるとすぐに茶色に変わっていくので、楽しみに来園されるお客様のためにも、もう少し茶色くなるのを待って、と頼んでいますが、役目を果たしましたと言わんばかりに移ろい行く木々です。
今日は、親しくさせていただいている先生のお誕生日です。1年前、部活指導中に倒れられ、病状とコロナ禍が重なって、気にはしていてもお見舞いに行くことができなかったのですが、ようやく面会が可能となり、先日お会いすることができました。
お会いするたびに、少しずつ回復されているのがわかり、リハビリを頑張って続けていらっしゃるからだと感じます。
やっぱり先生は、すごいなぁ、レジェンドでいらっしゃるなぁと尊敬します。
陸上の大家で、知らない人はいない素晴らしい方です。新潟シテイマラソンのスターター。この先生とご一緒に陸上部に関わったおかげで、私は全国大会に2回も連れていっていただき、全中優勝という最高の場所に居合わせることができました。優勝した彼は、先日お見舞いにきて、大学卒業後も陸上を続け、先生を外国に連れていく、と言って帰ったそうです。
中学校の3年間の部活動での関わりが、卒業後もずっと続いていて、恩返しを絶対したいと彼は思っていますし、先生も、自分の身体が動けるようになったら、必ず応援に行きたいとおっしゃっていました。
現役の時も、そして退職してからも、20年近く、常に生徒の側にいて、鍛え、愛し、支えとなっていらした先生は、必ずまたグラウンドに戻って来られると思います。それを待っている教え子たちが、数多くいます。私もグラウンドで「ガンバ」と声をかけるお姿をまた見たい。
清水園には高木がたくさんありますが、その側には添え木が支えとしてあります。添え木もかつては緑豊かな丈の高い元気な木でした。
年を取って、枯れたり、倒れたり、命を全うした後で、今度は他の木を支える役目をしています。
物事は、こうして伝えられていくから、続いていくことができるのだと思います。自分の時を過ごした後は、次のものを支え育てていくのだと。
先生の指導を受けて、今、陸上を指導している人は何人もいます。選手として尚活躍している人も。
紅葉の連鎖と今は一本の丸太に見える添え木を見ているうちに、次に生きるものを生かす生き方ができるようになりたいと思いました。
素晴らしい方と、素晴らしい木々に教えられた伝えていくことの大切さを、私も誰かに届けたいと胸が熱くなりました。
M様が撮って下さった素晴らしい写真を、早くご覧になることができますように。
画像提供 M様清水園/ひろ