先日4年ぶりに高校の同級会がありました。北方文化博物館と清水園のことを紹介したら、「今度見に行くよ。」とみんなが言ってくれたので、「その時は、私が皆さまをご招待します。」と言って喜んでもらおうと思ったら、「違うよ。払う。払う。むしろ友達だからこそ、倍払うんだ。」と言われました。
仕事を勇退した人もいれば、まだ続けている人もいます。経営者として働いている人も。そして年金暮らしを迎えた人も。
その言葉を聞いて、みんなそれぞれ、家族や従業員を守りながら頑張って働いてきて、立派な社会人になったんだと、実感しました。
「友達だからこそ、払うんだ。むしろ倍払う。」という言葉に、ある社長さんの発した言葉を思い出し、その方と同級生の一人一人が重なりました。
とっても美味しいと評判のお店にランチを食べに行った時のこと。その社長さんが食べようと楽しみにしていたものを注文したら、「申し訳ございません。売り切れです。」と言われました。私だったら、「せっかくそれを楽しみに来たのに、、、」と落胆を露わにして、店員さんを恨むような顔をして不満をぶつけてしまうと思います。
でも、その社長さんは、「売り切れ!それは良かったね。おめでとう!」と大きな声で、言われたそうです。
こんな経営者だったら、心酔して、従業員は俄然頑張って働こうと思うと思います。相手の幸福を心から喜び、祝福の言葉を口に出すことができる。私が同級生一人一人に感じた嬉しさと感謝を、その社長さんは、そのお店の従業員全員に与えて店を出られました。出られる時は厨房にいた者も、総出で、「ありがとうございました。」とお見送りをされたそうです。
友達だからこそ、応援したい、という気持ちを拡げて、毎日の生活の中で触れ合う人に、頑張りを労う気持ちを拡げていくことができたら、売り切れという心に受けた小さな悲しみを、店員全員から感謝を受ける幸せに変えていくことができます。相手の立場に立って物事を見ることができれば、人は不運さえも塗り替えて、人から感謝を受けることができるのだと思いました。
同級会では、お酒も二次会のカラオケも、一緒にたくさん楽しんだのに、「お前はいい、もう精算した。」と言ってお金を取ろうとしなかった同級生のみんなに、私だって感謝をお返ししたいと思っています。またみんなで、元気に集まれたら、次はケーキではなく美味しいおつまみを持っていけるように、レシピを開発して頑張ろうと思っています。
武家屋敷を駐車場から写真を撮っていたら、先日テレビで駐車場の誘導をとってもカッコ良くされている方が紹介されたことを思い出しました。白線内に車を誘導する時の姿は社交ダンスのリードを見ている様で、素敵で、しかも思いっきりのおもてなしを受けている、とお客さんは大喜び。「店に入る前から、こんなに素敵なおもてなしを受けることができて感激です。」と話される方がいました。
大変有名な駐車場係だそうで、ヘッドハンティングを4度受けたことのある社員だそうです。自分がいかに思いっきり自分の仕事を全うできるかを考えて、その誘導方法を考え出されたそうですが、お店の味同様、名物となっていて、抜群の集客力の源にもなっているとのことでした。お店にとって重要な方になっているその方は、いかに誘導という仕事を楽しくできるか、ということを考えて工夫をされた結果、今ではお店の看板としても活躍されています。テレビを見ていて、その飲食店というより、その方にお会いするために、そのお店に行ってみたいと思いました。
私たちは皆、自分の人生の経営者です。他人や降りかかって来る事に左右されずに、実りある人生を築き上げていく。
どうしたら、思いっきり職務を全うできるか。そして他の人の幸せを重んじて考えることができるか。
同級生を指針に頑張っていこうと思います。みんな、ありがとう。
清水園/ひろ