
お盆が近づいてきました。皆さまのお宅は、さまざまな準備をなさいますか。我が家では、お仏壇やお墓参り、そして来客の準備を進めます。
親戚が泊まりに来るので、良い機会だと夫が1週間前から家中の押入れの大整理を始めました。来客用としてそれまで使っていたもの以外に、使わない布団が12組。夏用、冬用、それに伴うタオルケットや毛布など、ものすごい量が出てきました。今まで見なかったことにしていた、それらの物を、種類ごとに整理したので、これからは後片付けもすぐできます。押入れの次は、箪笥や戸袋など上下の収納の整理になりますが、まずはここまで。なんとか今日お客様を泊めることができるように整頓できました。
嫁ぎ先の家は、とにかくお客様が大勢いらっしゃる家でした。義父が元気な頃は、お盆とお正月は大体3グループの方々が時間差で来られ、縁の下にはおかずの入った大鍋がいくつもあり、(それを義母は一人で全部作っていました)、お酒やビールもどれだけあるのだろうと思うくらい用意されていました。すごく忙しい家にお嫁に来てしまった、と最初は思いましたが、次第に慣れました。その他に佐渡からの親戚が来る、泊まるなどが度々あったので、あれだけの布団も必要だったのでしょう。
迎える方は大変なのですが、迎えられる立場だと、親戚の家に泊まるのは、私にとっては楽しい思い出です。お盆に母の実家に泊まって、夜遅くまでいとこと遊んだことや祖父母に可愛がってもらったことなど、その家はもう無くなってしまったので、尚更懐かしく思い出されます。おばあちゃんの裁縫台を滑り台にして遊んだこと。つながったテーブルに並べられたご馳走。軒先でみんなでした花火。そしていただくお盆小遣いの嬉しさなど。
自分の子どもたちも、きっと同じ思いでしょう。そしてそれは、次は孫へと続きます。
大変な面も勿論ありますが、頼れる親戚同士の関係は、ありがたく味わって良いと考えるようになりました。母がいろいろなことができなくなってきているので、今までの様に実家にいくのは迷惑だろうと遠慮しようかとも考えましたが、お参りだけさっとして、母の顔を見て帰ってこようと思い直しました。実の子でもずっと居るのは疲れる、でもお盆ぐらい顔を見たいというのも本音だろうと思うからです。そして帰ってきている亡父にも顔を見せて元気だと伝えたいと思いました。迎え火を焚いて、送り火で見送る。亡き人が安心して帰ることができるように。親族のつながりを大切にする時間なのですから。
昨日、子どもの頃、清水園に入って遊んだという方が何十年ぶりかに入るとおっしゃって入園されました。「こんなだったかな。よく覚えていないけれど。」と子どもの頃のことをお話されて帰っていかれました。年を取れば取るほど、懐かしいと思い出される場所は増えていきます。ここで、あんなことをした。その時、側にはあの人がいた。失われたはずなのに、蘇るその時。
清水園は祖父母の家のように、思い出される場所でもあるのだなぁと思いました。紅葉シーズンになると「ああ、この紅葉。」と眺め、じっと見つめていらっしゃるお客様がいらっしゃいますが、その方の目には、思い出の紅葉を見た日の情景も重なって見えるのでしょう。
ここに来ると大切な思い出に逢える。そんな風にお客様に思っていただけるように、お迎えしたいと思います。
1日中降りしきる雨の中、ご来園くださったお客様。ようこそお越しくださいました。お足元の悪い中をありがとうございました。
清水園/ひろ