カテゴリ:本館の日常( 152 )

本館ブログ新春号 享保雛

立春を過ぎました。今年も大広間に享保雛が飾られました。堂々たるたたずまいに穏やかな表情のこの雛人形がお出ましすると、「春近し」と心明るく感じます。この享保雛は七代目伊藤文吉(1896-1958)の時代に京都から購入されたものです。そのほか雛の詳しい来歴はわかっていません。

享保雛という名前と制作年は必ずしも一致しないようですが、主に江戸時代の享保年間(1716-1736)に町家で盛んに作られた雛人形とされています。あまりに豪華に大型に・・・!と過熱していったため、享保六年(1721)には贅沢な雛人形を取り締まる禁令が出たほどです。また松平定信の行った寛政の改革(1787-1793)では倹約令として庶民の雛人形は八寸(約24㎝)以下と決められました。当館の享保雛は高さ約60㎝ですので、この倹約令が出される以前に作られたか、あるいは出たあとでもなお大きな雛人形をつくることが許されるような力ある人物の所有だったのではないか と現段階では推測しています。
このように享保雛は大型で華やか、また顔は面長で能面に似た表情を持ち、女雛の衣裳は綿を入れて膨らませてあるのが特徴です。当館の享保雛の衣裳を見ますと、男雛は束帯(そくたい)、女雛はい五衣(いつつぎぬ)・唐衣(からぎぬ)・少し見えにくいですが後ろには腰から下に広がる裳(も)をまとった姿で、やはり綿を入れてふくらませてあります。また女雛の懸帯には当時西洋からの舶来品で高価な貴重品だったビロード生地が使われており、その帯には三角形2つを上下に組み合わせた六芒星(ろくぼうせい)と呼ばれるマークのような、あるいは籠目(かごめ)と呼ばれる文様の縫い取りが見られます。籠目は文字通り籠の編み目を図案化したもので魔除けとしてこの文様を用いることがあったようですので、子女の健やかな成長や無事を願って作られる雛人形らしく女雛の帯にあしらわれたのではないでしょうか。これら女雛の衣裳の特徴をたどっていくと当館の享保雛の来歴がもう少しわかるのではないかと考えています。

この享保雛を七代当主が自分の目で見て購入したかどうかそれははっきりとわかりませんが、もしも七代当主が生きているならば「なぜこの雛人形を選んだのか」と問うてみたいと思うことがあります。それくらい伊藤邸の大広間にふさわしい威厳溢れる雛人形だと思います。

雛人形の歴史や種類、雛祭の起源など「おひなさま」をとりまく世界への興味は尽きることがありません。それらを探る過程で、当時の人々がどんな世の中でどんなことを願い憧れて生活していたのかを想像すると、遠くは平安または江戸や明治の時代の人々に対する心の距離感がぐっと近くなるように感じられ、あらためて「おひなさま」が多くの人を魅了する訳がわかったような気がします。

北方文化博物館の享保雛展示は2/4(日)から3/25(日)まで大広間にて。ぜひご覧下さい。

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本館ブログ/担当:こでまり



    




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by hoppo_bunka | 2018-02-09 18:59 | 本館の日常 | Comments(0)

伊藤邸より謹賀新年

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
おかげさまで旧年中はより多くのお客様においでいただきました。
本年も北方文化博物館を宜しくお願いします。
平成30年も元日から開館しております。

今日の投稿は、展示内容の一部も含め、館内の正月風景をご紹介します。

また5日(金)10-12時に「楽しい書道体験〜書き初め」が当館の裏にあるカルチャーホールフクロウで行なわれます。こちらにも御応募お待ちしています。(詳しくは下記の画像をご覧下さい。)

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集古館では当館所蔵品による「新春展-for New Year 近代書画工芸」展を、また入場無料の屋根裏ギャラリー(正門受付向かい)では8日(月・祝)まで巡回パネル展「阿賀野川の川業(川砂利・漁業・筏流し・船頭)が盛んだったあの頃〜」が開催中です。

※「阿賀野川え〜とこだより」の全バックナンバーが手に入るのは当会場だけだそうです。

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by hoppo_bunka | 2018-01-01 11:45 | 本館の日常 | Comments(0)

本館ブログ12月号「学芸員って」

今年も残すところあとわずかとなりました。
北方文化博物館は年中無休です。元旦も、いつもと変わらぬそぶりでも心は新たにお待ちしております。

突然ですが、学芸員の仕事ってご存知ですか。
場合によって少し言葉が異なるかもしれませんがおおむねこのように説明されています。
1、資料の収集
2、資料の保存管理
3、資料の調査研究
4、展示・教育普及活動(1~3の活動にもとづく)
加えて
5、資料の公開 も求められてきていますね。※所蔵目録の公開閲覧サービス等々。

そして、これらの土台にはそれぞれの博物館の理念があります。

また、学芸員に求められる能力をこう表現する方もいます。
「学」術的研究を「芸」表現する「員」チームで。

北方文化博物館で学芸員としての能力をどう高めていったらよいか。
またその能力を館の運営や来館されるお客様に対してどう使うべきか。
悩みあぐねた一年間でした。

おそらく他のスタッフも立場をかえて同じように悩んだでしょうし、
答えを出しても一瞬で場面は次の答えに向けて動き出します。

悩みは抱えたまま、進むべきは新しい年です。
皆さま、また新しい年でお会い致しましょう。

・・・さて本館ブログではつたない文章にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
新しい年も 北方文化博物館・北方文化博物館新潟分館・清水園 を変わらず宜しくお願い申し上げます。
皆さまにとって新しい年がすばらしい一年となりますようお祈り申し上げます。

本館ブログ担当/こでまり








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by hoppo_bunka | 2017-12-29 18:25 | 本館の日常 | Comments(0)

阿賀野川のこと


今月は全国各地で相次いで大雨による被害が報告されました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念致します。
新潟でも毎週のように豪雨が繰り返され、上流の降り方によっては河川の増水が度々深刻な状況に陥りました。今月はそんな河川に関して少し書いてみました。


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北方文化博物館のすぐそばを流れる大河、阿賀野川。日本一の流域面積を誇り、その流れは滔々として雄大です。
ここ沢海付近の旧河道は、上流(福島)から見て右手(東側)へ大きく蛇行していましたが、大正4年(1915)~昭和8年(1933)にかけて行われた第一期改修工事によって、現在のようなゆるやかなカーブの河道が形成されました。

沢海は4つの地区「上沢海」「中沢海」「下沢海」「阿賀野(焼山)」に分かれていますが、現在この「阿賀野(焼山)」だけが、河道の変更により博物館側から見て阿賀野川の対岸に位置しています。河道はゆるやかになったとはいえ、地区ひとつ隔ててしまうほどの改修工事はさぞダイナミックな大事業であったのだろうと胸が熱くなります。

また、川底が削られ勾配が不安定にならないよう、過去2回に渡って床固(とこがため)の工事※1が行われました。
1 沢海第一床固工事(昭和34年)、沢海第二床固工事(昭和2527年)。現在、河川敷に整備された沢海床固公園からは、阿賀野川を横断する床固(とこがため)の様子を間近に見ることができます。

阿賀野川をめぐってはその流域に生活する人々の暮らしや仕事をはじめ、新潟の繁栄に大きな影響をもたらす様々なできごとがあります。ここ沢海から見えるのはそんな阿賀野川が持つ多彩な表情のひとつでしかありませんが、見つめ続けることでどんな新しい(あるいは古い)沢海の姿が見えてくるか楽しみでもあります。

なお、北方文化博物館を出て阿賀野川沿い土手を上流へ100mほど進んだ所に満願寺公園内(新潟市秋葉区)があります。大正4年開始の第一期改修工事起工の基準面※2(東西南北、高さ)を示した標石がここに遺されています。今度見に行ってみようと思います。
2 昭和22年に開始された第2期改修時に現在地へ移設。


写真は現在の沢海地区上空。
阿賀野川(手前左が上流)
床固(中央の白い水しぶきのたった部分)
小阿賀野川(左手前から画面奥へ蛇行)
沢海上・中・下の集落(小阿賀野川と阿賀野川に囲まれた地域)
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by hoppo_bunka | 2017-07-31 16:52 | 本館の日常 | Comments(0)

煙出し

内部。(真下にある囲炉裏から見上げたところ。)
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by hoppo_bunka | 2016-12-25 11:20 | 本館の日常 | Comments(0)

サンタの煙突

…ではなく伊藤邸の台所の煙出し。
みなさま、メリークリスマス。
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by hoppo_bunka | 2016-12-24 16:02 | 本館の日常 | Comments(0)

雪の庭園を歩けば

どことなく雪の湿度にほっと安堵するのは、雪国の方には共感いただけるのでは。
寒いけれども風のない日は、どうぞゆっくり散策しにいらしてください。
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by hoppo_bunka | 2016-12-18 10:47 | 本館の日常 | Comments(0)

正門受付の看板

正門受付の看板。いつも記念撮影でお客様に親しまれています。このたび新潟市會津八一記念館さんの企画展へ貸出のため、しばし「不在」となります。
八一記念館さんの企画展は12/23から。タイトルはずばり「會津八一と刻字」。
いつも独特な切り口で八一の多様な世界観と出会える企画展を、このたびも楽しみにしております。
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by hoppo_bunka | 2016-12-14 17:05 | 本館の日常 | Comments(0)

おみやげ

当館の売店でも販売しております。「ゆか里」
冬は熱湯を注いでいただきます。温まります。
これはしそ。ほかにゆずと抹茶があります。
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by hoppo_bunka | 2016-12-13 11:20 | 本館の日常 | Comments(0)

雪吊り

雨でも
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本格的な積雪前に作業を進めます
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by hoppo_bunka | 2016-12-09 10:40 | 本館の日常 | Comments(0)