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清水園 休園日ならびに年末年始のお知らせ

清水園の年末年始、ならびに休園日の御案内です。

下記の日程で休園となります。

・12月27日(水)~12月31日(日)(年末休園)

・1月3、10、17、24、31日

・2月7、14、21、28日

(1月、2月の水曜日)


清水園は1月1日から開園いたします。
新しい年を寿ぎながら、皆様のご来園を心よりお待ちしております。

◇清水園 開園時間 9:00~16:30

# by hoppo_bunka | 2023-12-13 11:17 | 清水園 | Comments(0)

経営者

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 先日4年ぶりに高校の同級会がありました。北方文化博物館と清水園のことを紹介したら、「今度見に行くよ。」とみんなが言ってくれたので、「その時は、私が皆さまをご招待します。」と言って喜んでもらおうと思ったら、「違うよ。払う。払う。むしろ友達だからこそ、倍払うんだ。」と言われました。

 仕事を勇退した人もいれば、まだ続けている人もいます。経営者として働いている人も。そして年金暮らしを迎えた人も。
その言葉を聞いて、みんなそれぞれ、家族や従業員を守りながら頑張って働いてきて、立派な社会人になったんだと、実感しました。
「友達だからこそ、払うんだ。むしろ倍払う。」という言葉に、ある社長さんの発した言葉を思い出し、その方と同級生の一人一人が重なりました。
 
 とっても美味しいと評判のお店にランチを食べに行った時のこと。その社長さんが食べようと楽しみにしていたものを注文したら、「申し訳ございません。売り切れです。」と言われました。私だったら、「せっかくそれを楽しみに来たのに、、、」と落胆を露わにして、店員さんを恨むような顔をして不満をぶつけてしまうと思います。
 でも、その社長さんは、「売り切れ!それは良かったね。おめでとう!」と大きな声で、言われたそうです。

 こんな経営者だったら、心酔して、従業員は俄然頑張って働こうと思うと思います。相手の幸福を心から喜び、祝福の言葉を口に出すことができる。私が同級生一人一人に感じた嬉しさと感謝を、その社長さんは、そのお店の従業員全員に与えて店を出られました。出られる時は厨房にいた者も、総出で、「ありがとうございました。」とお見送りをされたそうです。

 友達だからこそ、応援したい、という気持ちを拡げて、毎日の生活の中で触れ合う人に、頑張りを労う気持ちを拡げていくことができたら、売り切れという心に受けた小さな悲しみを、店員全員から感謝を受ける幸せに変えていくことができます。相手の立場に立って物事を見ることができれば、人は不運さえも塗り替えて、人から感謝を受けることができるのだと思いました。

 同級会では、お酒も二次会のカラオケも、一緒にたくさん楽しんだのに、「お前はいい、もう精算した。」と言ってお金を取ろうとしなかった同級生のみんなに、私だって感謝をお返ししたいと思っています。またみんなで、元気に集まれたら、次はケーキではなく美味しいおつまみを持っていけるように、レシピを開発して頑張ろうと思っています。

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 武家屋敷を駐車場から写真を撮っていたら、先日テレビで駐車場の誘導をとってもカッコ良くされている方が紹介されたことを思い出しました。白線内に車を誘導する時の姿は社交ダンスのリードを見ている様で、素敵で、しかも思いっきりのおもてなしを受けている、とお客さんは大喜び。「店に入る前から、こんなに素敵なおもてなしを受けることができて感激です。」と話される方がいました。
 大変有名な駐車場係だそうで、ヘッドハンティングを4度受けたことのある社員だそうです。自分がいかに思いっきり自分の仕事を全うできるかを考えて、その誘導方法を考え出されたそうですが、お店の味同様、名物となっていて、抜群の集客力の源にもなっているとのことでした。お店にとって重要な方になっているその方は、いかに誘導という仕事を楽しくできるか、ということを考えて工夫をされた結果、今ではお店の看板としても活躍されています。テレビを見ていて、その飲食店というより、その方にお会いするために、そのお店に行ってみたいと思いました。

 私たちは皆、自分の人生の経営者です。他人や降りかかって来る事に左右されずに、実りある人生を築き上げていく。
どうしたら、思いっきり職務を全うできるか。そして他の人の幸せを重んじて考えることができるか。
 同級生を指針に頑張っていこうと思います。みんな、ありがとう。

清水園/ひろ
 
 
 
 

# by hoppo_bunka | 2023-11-25 16:42 | 清水園 | Comments(0)

そうやって伝えていく

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 園内の紅葉が次から次へと場所を変えて色づいていきます。美しいと眺めていた長屋の側の紅葉も、次第に茶色が濃くなってきました。
今は書院の前の紅葉が色づき始めています。冷たい雨風に触れるとすぐに茶色に変わっていくので、楽しみに来園されるお客様のためにも、もう少し茶色くなるのを待って、と頼んでいますが、役目を果たしましたと言わんばかりに移ろい行く木々です。
 
 今日は、親しくさせていただいている先生のお誕生日です。1年前、部活指導中に倒れられ、病状とコロナ禍が重なって、気にはしていてもお見舞いに行くことができなかったのですが、ようやく面会が可能となり、先日お会いすることができました。
 お会いするたびに、少しずつ回復されているのがわかり、リハビリを頑張って続けていらっしゃるからだと感じます。
 やっぱり先生は、すごいなぁ、レジェンドでいらっしゃるなぁと尊敬します。

 陸上の大家で、知らない人はいない素晴らしい方です。新潟シテイマラソンのスターター。この先生とご一緒に陸上部に関わったおかげで、私は全国大会に2回も連れていっていただき、全中優勝という最高の場所に居合わせることができました。優勝した彼は、先日お見舞いにきて、大学卒業後も陸上を続け、先生を外国に連れていく、と言って帰ったそうです。
 中学校の3年間の部活動での関わりが、卒業後もずっと続いていて、恩返しを絶対したいと彼は思っていますし、先生も、自分の身体が動けるようになったら、必ず応援に行きたいとおっしゃっていました。

 現役の時も、そして退職してからも、20年近く、常に生徒の側にいて、鍛え、愛し、支えとなっていらした先生は、必ずまたグラウンドに戻って来られると思います。それを待っている教え子たちが、数多くいます。私もグラウンドで「ガンバ」と声をかけるお姿をまた見たい。

 清水園には高木がたくさんありますが、その側には添え木が支えとしてあります。添え木もかつては緑豊かな丈の高い元気な木でした。
年を取って、枯れたり、倒れたり、命を全うした後で、今度は他の木を支える役目をしています。

 物事は、こうして伝えられていくから、続いていくことができるのだと思います。自分の時を過ごした後は、次のものを支え育てていくのだと。
 先生の指導を受けて、今、陸上を指導している人は何人もいます。選手として尚活躍している人も。

 紅葉の連鎖と今は一本の丸太に見える添え木を見ているうちに、次に生きるものを生かす生き方ができるようになりたいと思いました。

 素晴らしい方と、素晴らしい木々に教えられた伝えていくことの大切さを、私も誰かに届けたいと胸が熱くなりました。

 M様が撮って下さった素晴らしい写真を、早くご覧になることができますように。

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画像提供 M様
清水園/ひろ



 
 

# by hoppo_bunka | 2023-11-11 19:22 | 清水園 | Comments(0)

天国を見つけられなければ 地上で

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 少しずつ夜気がひんやりと漂い、秋がやってきました。夕方から夜にかけて、目に映る様々なものは、しみじみとした趣を帯びて、物思いを呼び起こします。

 先日、素晴らしい竹林を見せていただく機会を得ました。個人宅なので場所をお伝えすることはできませんが、清水園のお庭を見に来てくださるお客様でしたら、きっと素晴らしいとおっしゃっていただくに違いない、見事な竹林です。
 本館、分館、清水園と庭の剪定や管理をされている方のお宅なので、きっと素敵なお庭なんだろうな、と思いながら伺いましたが、竹の数に、まず圧倒されました。そして天を目指してすっと伸びていく1本1本の竹の美しさに心奪われました。心もすうっと深淵な天に向かって、吸い込まれていくようでした。
 「見に来るんだったら、夜の方が絶対良いから。」と言われた言葉通り、幽玄の世界がそこに佇んでいました。時間の制約がなければ、ずっとそこにいて、見つめていたい、何もいらない、ただ見ているだけで十分。そんな世界がそこに拓けていました。

 竹林の整備をされたのは、4年前からだそうです。それまでは、住んでいながら、その良さに気付かなかったそうです。なぜなら、それは当たり前のように生活の一部として溶け込んでいたから。
 でも、ある時、その美しさに気がついて、少しずつ草を刈り整備を始められたそうです。
 こんなに美しい空間があるならば、どこに旅行に出かけなくてもいい、これを見ることができるのだから。そんな風に思いました。

 バーバラクーニーの絵本、『エミリー』の一節を思い出しました。

 「天国を見つけられなければ 地上で 天上でも見つけられないでしょう
  たとえどこにうつりすんでも 天使はいつもとなりに 家をかりるのですから」

 自分の家の中に、美しく心を解き放つ空間があれば、家は最高の居場所となる。どんな風光明媚な場所にも劣らないくらいの。
 清水園や、広大な竹林に入って感じる、心を解き放たたせる美しい空間を、私も自分の生活する居場所の中に、創ることができたらと思いました。

 地上にある天国を見つける手引きをしてくれるのは、大いなる自然です。
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 清水園をこよなく愛するように、私も自分の家の草木を愛そう。そして、天使が姿を見せてくれるように、1区画ずつ心を向けて整えていこう、身近な居場所をまず、大切に心を配っていこう、と思いました。目が離れがちな、冬に向かうこの時季に、春に向けて準備を進める草木と同じ様に。

 まず縁側で、月を愛でる日、そんなことから、始めたいと思います。

清水園/ひろ

 
 




 

# by hoppo_bunka | 2023-10-12 17:15 | 清水園 | Comments(0)

真似から見えてくるもの

真似から見えてくるもの_e0135219_14444152.jpg
 猛暑で今年は来て下さらないのかな、と思っていたシルバー人材センターの庭木の剪定をして下さる方が、「やっとできそうな天候になったので。」と先日連絡を下さり、剪定していただけることになりました。
 5月に頼んでから5か月近く経ち、その間仕方なく自分で刈り取ったりしていましたので、最後はもう来られないと思って、仕方ない、これくらいなら、さほど見苦しくもないだろう、と思っていました。
 いらした日は勤務日だったので、出かけ間際に「よろしくお願いします。」と言って出たのですが、帰ってきて庭を見たら、見通しが良くなり、すっきりとして、たいへん美しく整って見えました。全く違う。さすがプロ、と思うと同時に、自分には見えない粗がたくさんあって、それを取り除いてくださったのだと思いました。

 生け花でもそうです。先生が直して下さると、抜群に良くなることはわかるのですが、直される前に美しくないところに気付かない。どうしてわからなかったのだろうと、美しさにたどり着けない自分の目が、とっても残念です。

 木も、花も、プロの方は、その形をじっくりと見て、周りとの間も考慮しながら、そのものが一番美しく見える形状に仕上げることができます。私はまだまだよく見ていないんだなあ、だからそのものの美しさを引き出すことができないんだ、と感じました。

 ものを見る、気付く、ということで特化した方々がいらっしゃいます。「ミミックメーカー」と呼ばれる、バイオミミクリーという科学分野で働く発明家の方々です。
 バイオミミクリーは、生き物の優れた体の構造やしくみを解き明かし、まねをして問題を解決する方法や工程のことです。自然が私たちの先生になるのです。
 絵本『すごい!ミミックメーカー』には生き物をヒントに世界を変えた発明家が10人登場します。彼らはそれぞれ生き物を観察することによって、それをヒントに、例えばヤモリの足から、しっかりとくっつき、剥がしたい時は簡単にはがせるテープを発明し、サメの肌から、抗菌フィルムを、葉脈から光を集積するペラペラの、どこでもつけられる太陽電池を生み出しました。
 この太陽電池を私は以前テレビで見たことがありますが、ソーラーパネルと違ってどこでも設置でき、しかも室内の明かりでも発電可能というたいへん優れたものでした。窓に貼っておけば発電できるのであれば、クリーンエネルギーがどんどん生み出されていくことになり、環境破壊も減少させることができます。

 生き物の世界は太陽の光からエネルギーをもらい、ゴミや有害な化学物質を出さない。だから私たちは自然を観察することで、今の地球温暖化や環境汚染の解決策を探す必要がある、そして、その解決策を生み出す努力を続けている人たちがいる、ということをこの絵本は教えてくれます。

 戦争で都市や自然は破壊され、温暖化による気候変動で、さまざまな場所や生物が危機にさらされている。どんどんおかしくなっていく世の中でも、生き物の一員として、しっかりと自然を見つめている人たちは確かにいて、失敗を恐れず、あきらめず、よりよい世界を創っている。何度も何度も試し、失敗し、でもやり続けた。そこに、これからの世の中を照らし出す、一筋の光が見えた。それを教えてくれる絵本でした。

 清水園もこの夏、たくさんの木々を整えていただきました。私には気付かない、粗を整えてくださる作事の皆さまは、みんな神様の執事のような気がします。その手から生み出される草木の形状は、訪れる方々から喜んでいただける空間を構成しています。
 よく見て、話しかけ、愛おしんで、この美しい環境から私も何かを真似ていきたいと思います。

清水園/ひろ

# by hoppo_bunka | 2023-10-08 17:06 | 清水園 | Comments(0)