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静観を願う

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 雪晴れの空のもと、光に満ちている園内です。
滝を流れる水音が、春の訪れを感じさせます。まだまだ朝晩の冷え込みは厳しいものがありますが、それでも、日中の陽射しはありがたくて、寒さに縮んだ身体をぐんと空に向かって伸ばしたくなります。
 見上げると青く澄み切った空が広がっています。今日は貴重な一日。この恩恵を身体一杯に受け止めなければ。

 昨日の晩から朝にかけては、痛む足に悩まされながら、どうしてこんな風になってしまったのだろう、あんなに元気に走れたのに。と、我が身を嘆き悲しんでいましたが、憂鬱な悲しみを紛らわしてくれる、明るい陽射しのお庭です。

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 私たちの身体の細胞は、絶えず新しいものに生まれ変わっているといいます。既存のものを破壊することで、新たなものを創り出していくのだと。逆に言えば、破壊することによってのみ、自分をなしうることができるのだと。
 走れる身体を手放して、痛む身体を得た。それもまた人生。そして次はどんな身体に変わるのか。そしていつまで続くのか。新たな自分になろう、なろうとしているのだから、心だけを古いまま、置き去りにしてはいけないと思いました。

 お正月に、大好きな恩師からいただいた年賀状には、「ステージ4のガンで闘病中。静観を願います。」と書かれてありました。
「静観を願う」 先生は、全てを受け入れられて、ガンと向き合っていらっしゃるのだと思いました。先生は今でもずっと、先生で、岐路の振る舞いまでも教えて下さいました。

 生きることを諦めてはなりません。
 先生の声も降り注ぐ光いっぱいのお庭です。
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 清水園/ひろ



 





















# by hoppo_bunka | 2023-02-17 14:14 | 清水園 | Comments(0)

至るまでの道のり


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 国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士の若田光一さんが、2度目の船外活動を無事終えたというニュースが3日に入ってきました。船外活動は6時間40分。地上からの指示に従いながら、慎重に作業を進められたということですが、死と隣り合わせの仕事を成し遂げる、その強靭な精神力に感服しました。

 宇宙ステーションに戻った若田さんは、「日本の皆さん、ご支援いただきありがとうございました。国際協力をさらに進め、『和の心』をもってISSを最大限に活用して成果を創出していきましょう」と言われました。
 この『和の心』は2014年にアジア初のISS船長に就任された時にも使われた言葉です。その時若田さんは、就任の挨拶で、「地球最大規模の国際プロジェクトで、大役を任されたのは、日本が築き上げてきた実績と、高い信頼の現れです。
 日本らしい和の心を大切に、相手を思いやり、調和の中から、みんなと協力してやっていきたい。」とおっしゃいました。

 宇宙飛行士として、船外活動を行うためには、どれだけ優れた能力や資質、人間性が必要なのか、私には想像もつきませんが、そんな優れた力をもつ方が、自分が船長という仕事に就いたのは、自分に至るまでの多くの方がたの努力や働き方の素晴らしさのおかげであると言及されていること、そして、人と協調していくことを重んじていらっしゃることに憧れを抱きました。

 仕事をしている時に、初めて会う人に対しても、一緒に仕事をしている人に対しても、どうぞまたこの人と会えますように、という願いを持ちながら仕事をしているだろうか。
 良い成果を出せた時に、自分の努力以外にも、自分を支える礎を作ってくれた名も知らぬ多くの人たちに思いを馳せたことがあっただろうか。と考えました。

 凍った池の周りを巡りながら、この池が凍るまでの道程を考えていたら、人を宇宙までも導くまでに、どれだけ、名も知らぬ方がたの命を懸けた営みがあったのだろうと思いました。薄氷のように、すぐに溶けてしまうものから、頑丈な氷の塊に変わるまでのように。

 後藤新平は、「財を残すは下。仕事を残すは中。人を残すは上。」と言っています。

 この人の命を受けついで生きていきたい、と触れ合う人に思わせる生き方が、世の中を発展させてきました。

 書院の前に立ち、凍った池を見つめながら、今日一日に出会う方がたに、感謝を伝えられる自分だろうか、と思いました。

 どんな心を大切に皆さまは今日お過ごしになられましたか。

清水園/ひろ

 


 

# by hoppo_bunka | 2023-02-04 16:47 | 清水園 | Comments(0)

ぽっと、明るくなる

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 朝から小止みなく降り続く雪は、先程除けたばかりの道を、どんどん埋めていきます。
12月の大雪の際の、湿った重たい雪に比べたら、はるかに軽いのですが、それでも30分位除雪を続けると、汗びっしょりになります。
屋根の雪もどんどん嵩が増えてきて、もうそろそろ止んで欲しいなぁと恨めしいような気持ちで空を見つめていました。
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 こんなに晴れ間の全くない日は、お客様も外に出にくいだろうと、さみしく思っていましたら、日曜日、そしてレストランも開いているということもあって、数名のお客様の来園があり、ほっとしました。

 帰り際にご夫婦でアンケートを渡してくださったお客様がいらっしゃいました。

 そこには、「いつもは雪いやだなと思うけど、ここに来てきれいだなと思った」とありました。

 最高の誉め言葉です。嬉しくてお言葉を噛みしめました。そして皆さまにも、この喜びをお伝えしたくなりました。

 先程とは全く違って、喜びが舞い降りて来る、そんな風に見えました。

 大いなる自然と同じように、人を救ってくれる人の言葉がある。そんな言葉をお客様からいただける場所で働いていられることに、幸せを感じます。幸せを差し上げなければならないのは、私の方なのに。

 ご来園、本当にありがとうございます。大雪の日に、心はぽっと温かで幸せです。

清水園/ひろ
 

# by hoppo_bunka | 2023-01-29 16:41 | 清水園 | Comments(0)

明日の笑顔を作る

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 未曽有の災害を引き起こした、阪神淡路大震災から28年が経ちました。今朝はちらちらと雪が降り、次第に辺りが白く埋められていきます。鎮魂の思いを深めていくかのようです。
 あの震災が起きた時、テレビの画面から被災地の様子を見て、関西は壊滅的だと思いました。それから28年。多くの方がたの汗と努力により、街は活気ある姿を取り戻し始めています。
 道路や公共施設の整備に関わる方がたの仕事は過酷です。通勤途中に見かける土木作業員の方は、吹き曝しの冷たい雨、風、雪の中も、焼けつくような酷暑の中も、休むことなく仕事を続けていらっしゃいます。その姿を見るたびに、大変だと思うと共に、過酷で 汚れて、危険、というイメージをぬぐい切れないでいましたが、今年ある方の言葉に出会ってから考え方が変わりました。

 「恵まれないひとたちに、少しでも暮らしやすい社会資本をつくりたい、そんな思いでぼくは土木を選びました。」

 人生のリセットを考え始めた時に出会ったこの言葉は、仕事に対する誇りと、豊かな社会を創りあげるために尽くす決意に満ちていて、お前はどんな気持ちで働いて、何か世の中のために貢献していることはあるのかと、問いただされているように感じました。

 自分にできることは、何だろう。今の自分にできる社会貢献って何だろう。復興の担い手になった方がたのように、何に誇りをもって働いているのだろう、と考えさせられました。
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 清水園には大いなる力があります。多くのお客様が来て下さるのは、ここで感じられるお気持ちが、それぞれの方にとって、価値あるものだからでしょう。ここに来てくださった方が、来て良かったと笑顔で帰られること、そのために自分ができることを考えることは、未来の世の中に生きる人たちの笑顔を作ろうと頑張って働いていらっしゃる、土木作業員の方がたと、規模は違うものの、同じものを目指しているのではないかと考えました。

 家庭で、職場で、関わりあう人たちとの触れ合いの中で、その人たちが笑顔になれるような生き方ができたら、と思いました。
社会貢献という大きなことはできないかもしれないけれど、若い方の誇りある美しい生き方を知った今、ハッとして共鳴した胸の高鳴りを、失いたくないと思いました。

 誇りある生き方に共鳴して力を合わせ合った人たちが28年の年月をかけて成し遂げた今の人たちの暮らしを想い、私も自分の暮らしに槌を打ち始めます。

清水園/ひろ

 
 

# by hoppo_bunka | 2023-01-17 13:41 | 清水園 | Comments(0)

リセット

 
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 明けましておめでとうございます。
新年早々、電話線断絶のため、通信環境が整わず、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
12月に降った大雪ですっぽりと雪に埋もれていた園内は、年明け、特にこの2、3日の暖かな陽射しによって、またたく間に姿を変え、春の趣を見せました。久しぶりに訪れた園内は、あの凍りついた日々をまるで忘れてしまったかのように、木々も枝を拡げています。
 自然の中で生きているものの、逞しさを感じます。

 人目に触れない基礎にこそ、大切に心を込めて全力で取り組む。これは全てのものづくりの基本だと思いますが、木々を見て、新年の決意を新たにしました。
 第2の人生を始めている今、私も、人生をリセットして、新たな自分の基礎となるものを培うことに力を注いでいきたいと思いました。

 それまでは何でも時間に追われて間に合わせることで精一杯でした。時間のかかることは、する余裕がありませんでした。料理でいえば、焼き物、炒め物、揚げ物がほとんどで、煮物や漬物は、専ら義母にお任せでした。最近になって、料理をすることがほとんどできなくなった義母の代わりに、時間のかかる料理にも、ようやくチャレンジするようになって、手間暇をかけたもののおいしさが実感できるようになってきました。
 先日、本館で行われている園芸教室の新年会が大呂菴で行われたのですが、そこで出された野菜料理が全てそうでした。作り手の心が感じられる素材の味わいを生かした一つ一つの料理を食べながら、家族にもこんな風に、おいしいと思ってもらう料理を届けられるようになりたい、と思いました。たまには外食も楽でありがたいけれど、毎日の食卓に心を込めた料理が出されていたら、それだけで十分幸せをみんなが感じることができます。
 
 丁寧にじっくりと日々の暮らしを創り上げていく、そんな心が伝わる生き方を、木々を見つめながら学んでいきたいと思っています。

清水園/ひろ
 

 


# by hoppo_bunka | 2023-01-14 16:52 | 清水園 | Comments(0)